令和2年度 第2回狛江市立公民館運営審議会会議録

 

 

1 日 時   令和2年8月31日(月曜日)午後7時20分~9時20分

 

2 場 所   中央公民館 第4会議室

 

3 出席者   斎藤謙一委員長、馬場信義副委員長、土屋陽子委員、日向正文委員、
                        深井秀造委員、細谷明美委員、宗像政子委員

        事務局(安江真人公民館長、刈田美江子副主幹(兼)事業係長、髙橋公平主事)

 

4 欠席者   伊地知俊二委員、高尾戸美委員、長谷川まゆみ委員

 

5 傍聴者   0名

 

6 配布資料      資料1 公民館事業評価シート(案)

                      資料2 事業評価の策定指針シート

                      資料3 持続可能な開発目標と日本の取組

                      資料4 平和と成長のための学びの戦略~学び合いを通じた質の高い教育の実現~

                        資料5 狛江市民センター改修等基本方針

        資料6 狛江市民センター(中央公民館・中央図書館)に関する市民アンケート結果報告書

 

7 会議の結果

   ○開会

 

 ○報告事項

 (1)東京都公民館連絡協議会委員部会について 

副委員長:10月24日(土曜日)14時から研修会を行う。講師は埼玉大学教授の安藤氏が務める。新型コロナ感染症拡大防止のため、会場の定員数の半分となるが、会場自体が広く、定員約170名のため入場者数に問題ない。例年行っている自由討論は密になりやすいため、実施されないこととなった。また、議題として、緊急事態宣言後の閉館中に、各市の公民館では何を行ったかという情報共有を行った。町田市や小平市では、オンラインでイベント紹介を配信するといった取組みをしていた。ほとんどの市が6月に開館を行い、7月中は制限付きで運営している点で共通していたが、小平市や西東京市といった閉館期間が長い市もあった。

 

委員:研修会の会場はどこになるか教えてほしい。

 

副委員長:小平市の公民館である。現在、開催内容を載せたチラシを作成中なので、詳細についてはそれを確認してほしい。

 

事務局:研修会の開催案内が届き次第、各委員へ送付する。

 

 (2)狛江市民センター改修等基本方針について(資料5)(資料6)

事務局:資料5、資料6により説明

 

副委員長:この基本方針の策定にあたって、公民館がどの程度関与できたのか教えてほしい。

 

事務局:狛江市民センター改修については、かつて、教育委員会で検討をしたが中止となった経緯から、市長部局にて「市民センターを考える会」との市民協働で検討することとなった。市長部局において市民協働による検討、市民アンケートを行った上で基本方針を策定し、それを教育委員会として受け止める立場である。

 

副委員長:公民館や図書館といった一番利用者が多い部署の元で、本来なら検討するべきではないか。

 

事務局:前述したとおり、当初教育委員会が市民センター改修に向けて検討し、利用者の代表として公民館運営審議会にもご参加いただいた。しかし、市民や利用者への情報のフィードバックが上手くいかず、最終的には中止となってしまった。その後、「市民センターを考える会」が立ち上がり、市民協働で市長部局との検討が始まったものである。もちろん、「公民館としてはこうしたい」という意見はできるが、こうした経緯から、検討の議論を見守ってきたものである。

 

委員:平成25年度に市民センター改修の検討委員会の委員として出席した。市民センター改修の議論とともに、耐震性についての検討もなされて、実際に耐震診断してもらったが、耐震性は十分であり、大規模な改修をする必要はないと言われた。改修するなら少しでも良いものしたいという気持ちはあったが、予算の都合上、どうしても枠にはめられた形式となってしまい、機能面やリフォームの有無等について自由に提案できなかった。もう少し、市民の意見を反映してもらうような形でやるべきだった。結果的に、市民からも「なぜこのような改修工事を行うのか」という話が出てしまい、最終報告書が満場一致とはならなかった。こういった背景から、市民センターの改修については教育委員会から離れていってしまったのではないかと感じる。改修工事は専門的な知識が求められるので、職員だけでは難しく、専門家が必要だと思う。他にも勉強会やワークショップといった形式で市民が参加できる機会をできるだけ設けた方がよい。

 

委員:とりまとめを行っている政策室へ公民館運営審議会としての意見を提言することはできるのか。

 

事務局:可能であるが、改修に向けたスケジュールがすでに決まっており、期日もあると思うので、どういった形式で意見をできるか確認しておく必要がある。

 

委員長:この公民館運営審議会である程度意見をまとめて、公民館長を通じて教育長へ意見を提出するということは可能であると思う。

 

委員:1月に開催した第1回公民館運営審議会のグループワークで、各委員が公民館のあり方について様々な考えを持っていると感じたので、意見書は出せると良い。もし出さない場合は、最低限、市民説明会に委員は出たほうがよいと思う。

 

委員長:市民説明会へは、出た方がよいというよりも、委員は出るべきだと思う。参加者に定員がある場合は、公民館運営審議会の委員については、説明会の定員に含めないでいただきたい。

 

事務局:参加について、調整できるか政策室へ打診してみる。ただ、新型コロナの影響で密となってしまうので全員同時に参加というのは難しいと思う。正・副会長に出席していただく、あるいは合計3回開催されるので、各委員に別々の時間帯で2,3人程度順番に出席していただくいったやり方がある。

 

委員長:新しい図書館ができるのに、なぜ図書コーナーを設ける必要があるのか。

 

事務局:今後の基本構想での議論にも左右されると思うが、例えば、子ども向けの図書を残した「児童書コーナー」を設置し、同時にフリースペースの機能も持たせることで、世代間交流等の相乗効果をもたらすことも可能であると考える。

 

委員長:本来であれば、郷土資料室には社会教育課の職員が配置されるべきである。また、現在では中央公民館の暗室がいつのまにか撤去されており、物置となっているが、その理由と、何に使用されているかを知りたい。

 

事務局:現像する団体がいなくなったことが、暗室の貸出をしていない理由として挙げられる。現在は、図書館が使用しており、蔵書関係の資料が保管されている。

 

委員長:そういった内部の話を政策室がどの程度まで把握できており、我々の意見を政策室がどれぐらい聞いてくれるのか分からない。

 

事務局:改修するにあたって、基本方針等をすべて白紙にするといったことはできないが、中身となる機能的な部分については、今後の基本構想の議論の中で調整、交渉できると思われる。

 

委員:狛江市の図書館の蔵書数は少ないので、新宿区や調布市とった他区市の図書館を利用することもよくある。公民館活動として子どもたちへの読み聞かせを行うことがあるのだが、1冊だけではなく複数冊利用したい場合もある。種類だけではなく、各冊子の数量も増えるとよい。こういったように図書館の充実は、公民館事業の充実にもつながる。

 

事務局:部署が異なるので一意見となってしまうが、図書館の蔵書数については、本棚の配置等の工夫をすることで変わってくる。新しい構想を検討する際は、各地域センターや西河原公民館の図書室、その他近隣の図書館と連携・調整することが重要であると考える。

 

委員長:少し聞いた話だが、市民活動支援センターに、統括コーディネーターとして、社会教育主事が配置されることはあるのか。

 

事務局:配置の有無についてはっきりとお伝えできないが、似たものとして、学校支援地域本部というものがあり、授業の補助、学校の困りごとをボランティアの方に支援していただく仕組みが構築されている。学校の活動を支援してくれるPTAや町会といった組織が市内にはたくさんあるが、そういった方々のつながりが、現在は学校ごとに留まってしまっている傾向にある。そのため、事前に市民活動支援センターに登録していただき、どの学校でもボランティアの方々が参加できる仕組みを構築できるのではないかと考えられる。

 

委員長:このような市民活動支援センターのコーディネーターのような役割は、本来公民館が中心となって担うべきところではあるが、現在は公民館がただの部屋の貸出し、事業の運営だけが業務として残ってしまった形となっている。

 

事務局:狛江市の場合は、社会教育の分野が公民館だけではなく、文化財やスポーツ等といったジャンルごとに細分化されてしまっており、本来公民館がもつべき「つどい、まなび、むずぶ」の「むすぶ」の機能が弱まりつつある。団体同士がつながって、また新しい学びが生まれるといったようなことを、現在は市民活動支援センターも担うようになった。

 

委員:公民館そのものがマンネリ化している傾向がある。集まった人たちが、新たに自主サークルをつくり、社会的な活動していくことが理想的な流れである。そういう団体を支援するためにも、公民館と市民活動支援センターがお互いに活動場所や、経費、ノウハウ等を共有できれば、相乗効果につながると思う。

 

委員長:公民館のマンネリ化を避けるためにも、事業評価を導入することは重要である。また、公民館の団体と市民活動支援センターが上手く連携できれば、地域課題の解決に直結する。事例として何か連携している事業はあるか。

 

事務局:共催(公民館から活動支援センターに依頼)という形で、子ども向けのプログラミング教室や夏体験ボランティアといった事業がある。

 

事務局:市民センターの改修の説明会については、人数を分けて委員が出席できないか政策室と調整して、その説明会の内容を踏まえて、留意しておきたい内容をまとめ、必要であれば意見書として提出するということでよろしいか。

 

委員一同:異議なし。

 

 ○審議事項

 (1)諮問事項に関する意見交換 (資料1~4)

事務局:資料1~4により説明

 

副委員長:資料1の事業評価シート(案)に、「総合評価」の項目があるが、これは各委 員がそれぞれ個別に評価するということか。

 

事務局:その方法でも構わない。あるいは、委員の方々に集まっていだたき、まとめて公民館運営審議会として評価するといった方法でも良い。シートの運用については、今後の審議会で議論を深めていければよい考えている。

 

委員:この事業評価シートはまだ案の段階であるが、東京都公民館連絡協議会の委員部会に公開してもよろしいか。

 

事務局:案として現在検討中であることを踏まえた上で公開していただく分には構わない。

 

委員長:狛江市で策定したものということが伝われば、他市へ情報共有してもらって構わない。狛江市が事業評価シートの策定に取り組んでいることは、他市でもすでに知られており、これからいろいろと聞かれる可能性がある。

 

委員:この事業評価シート(案)はシンプルでよくまとまっていると思う。このシートを策定するにあたって、参考にした雛形や事例といったものはあるか。

 

事務局:公民館の事業ではないが、「対象者」や「新規・継続」といったよくある項目については、インターネット等で他市のものを参考とした。

 

委員:このシートを活用して事業評価することは分かったが、特定の事業ではない「公民館の施設・管理」に関することといった全体の評価については、違うシートを使用するのか。

 

事務局:できるだけ同じフォーマットで使用する予定であるが、「評価項目」は変える必要があると考えている。まずは個別事業のための評価シートについて検討し、大枠を決めてから、今度は「公民館の施設・管理」といった個別事業ではない全体の評価項目について議論を深めていくのが良いのではないか。

 

委員長:現在発行している「活動の記録」と最終的に合体できれば、詳しい事業の内容から評価まで1冊で分かるようになる。

 

事務局:初年度で「活動の記録」と「事業評価シート」を合わせることは、難しいかもしれないが、ゆくゆくはそのようにすべてが一つで分かるようになれば良いと思う。

 

委員:新型コロナ感染症拡大防止で3回公民館運営審議会が中止となったこともあり、資料2「事業評価の策定指針シート」についての議論がまだ深められていないと思う。

 

委員長:確かに、このフォーマットは良いと思うが、後は具体的な中身(評価項目等)について、資料2を基に議論を深めていく必要がある。

 

委員:事業評価シート(案)にSDGsの項目があるが、社会教育の視点に立って考えると、SDGsは内容として十分ではないように感じる。「持続可能な開発目標」とあるが、これはほとんどがアフリカ等の開発途上国における目標であり、格差を埋めるという視点は良いが、先進国である日本が同じ目標を掲げて開発や発展していくのは難しいのではないかと考える。

 

委員長:確かに、SDGsの前身であるMDGs(ミレニアム開発目標)の時代は、途上国のみの開発問題が中心で、先進国がそれを支援するという位置付けであった。しかしながら、これが上手く機能せず達成できなかったため、その反省からSDGsが新たに掲げられ、開発側面だけではなく、経済、社会、環境といったあらゆる面を先進国も一緒になって達成していくという考え方に変わった。こういった背景・経緯から、先進国である日本が開発途上国と同じ目標を掲げることは特に問題ない。

 

委員:事業評価をするにあたって、SDGsのどれに該当するか後付けとして各事業に当てはめるのか、それとも新規事業としてSDGsのために何か新しいものを検討するのか、どちら示しているのか教えてほしい。

 

委員長:前者である。SDGsは大きな目標なので、そのために公民館事業を考えるのは規模が異なり難しい。

 

委員:事業によっては、どれにも該当しないものが出てくるのではないか。

 

委員長:おそらくそれはないと考えている。「4.質の高い教育をみんなに」以外にも公民館事業に該当しそうなものはいくつもある。例えば、健康講座だったら「3.すべての人に健康と福祉を」、ものづくりに関する講座だったら、「12.つくる責任 つかう責任」といった目標に該当する。このように、SDGsが掲げる目標はいろんな複合的なものがからみあっており、どんな事業にも結びつけることができる。事業評価シート(案)の項目として載っているものの、SDGsに関してはそこまで難しく考える必要はない。

 

委員:昨年、アフガニスタンで亡くなり、ニュースでも取り上げられていた医師の中村哲氏の話にも通じるところがある。医療のためにアフガニスタンに向かったが、健康の維持のためには、水や食料不足といった根本的な問題をどうにかしなければならないということに気付き、改善に取り組んだ。

 

委員長:そのとおりである。似た例として、WEP(国際連合世界食糧計画)の「学校給食プログラム」がある。栄養確保を目的として給食を提供するために、開発途上国の子どもたちに学校に通わせた。これがきっかけで、子どもたちは自然と学校で勉強に取り組むようになり、字が読めるようになったという事例がある。WEPは食糧機構なので、食糧を提供することを目標としているが、付加価値として教育面でも支援する結果となった。このように、SDGsも複合的な内容が絡みあっており、解決していくことで様々な相乗効果が生まれるので、一つの事項に着目・限定せず、広い視点で考えることが大切である。

 

事務局:他に質問がなければ、以上で本日の会議は終了する。資料2について、各委員で再度検討していただき、何かあれば9月14日(月曜日)までに、事務局までご連絡いただく。なお、次回は10月5日(月曜日)午後7時20分から中央公民館和室にて開催する。